<Header>
<Author: 李頎>
<Title: 宿瑩公禪房聞梵>
<Format: 格式不明>
<Year: 1965>
<BookName: 唐詩選　下>
<Translator: 斎藤晌>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle: 瑩公（えいこう）の禪房（ぜんぼう）に宿（しゅく）して梵（ぼん）を聞（き）く>
<BookPage: 87>
<UsedPage: 1>
<Feature: 1, 4>
<End Header>
<Poem>
花宮仙梵遠微微，
月隱高城鐘漏稀。
夜動霜林驚落葉，
曉聞天籟發清機。
蕭條已入寒空靜，
颯沓仍隨秋雨飛。
始覺浮生無住著，
頓令心地欲皈依。
<End Poem>
<Translation>
蓮華宮ともいうべきこの寺の梵唄の聲が遠くかすかにひびいている。かたむいた月は高い城壁にかくれ、時を告げる鐘や水時計の音も間遠になって、めったに聞こえない。ただ聞こえるものは讀經のいとたえなるひびき、霜のおりた夜半の林をゆるがして落葉がはらはらと散り、さながら晩に冴える天上の妙音と聞え、ハッとなって消淨な悟りにひきいれられる。と思えば、それは、すでに、しめやかに寒空のなかにとけいって静かにひろがって消え、またたちまちむらがりきそいたって秋雨のしとしととふりしきるがままに飛んでゆくかのようだ。 これを聞いているうちに、始めて浮世が無常でとりつくすべもなく執著すべくもないということを悟らされた。そして、しみじみと、わたしの心に、ほとけの御教に歸依したいという氣持ちを起こさせた。
<End Translation>
<Formatted Translation>
蓮華宮ともいうべきこの寺の梵唄の聲が遠くかすかにひびいている。
かたむいた月は高い城壁にかくれ、時を告げる鐘や水時計の音も間遠になって、めったに聞こえない。
ただ聞こえるものは讀經のいとたえなるひびき、霜のおりた夜半の林をゆるがして落葉がはらはらと散り、
さながら晩に冴える天上の妙音と聞え、ハッとなって消淨な悟りにひきいれられる。
と思えば、それは、すでに、しめやかに寒空のなかにとけいって静かにひろがって消え、またたちまちむらがりきそいたって秋雨のしとしととふりしきるがままに飛んでゆくかのようだ。 
これを聞いているうちに、始めて浮世が無常でとりつくすべもなく執著すべくもないということを悟らされた。
そして、しみじみと、わたしの心に、ほとけの御教に歸依したいという氣持ちを起こさせた。
<End Formatted Translation>